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国際バカロレアの教育

流行りではなく、学術的な裏付けのある探究学習。

国際バカロレア(IB)とは?

国際バカロレア(IB)

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、スイスのジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が、1968年から提供している国際的な教育プログラムです。

世界の複雑さを理解し、それに対処できる生徒を育成するチャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして知られており、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。令和3年12月31日現在、世界159以上の国と地域の約5,400校において実施されています。近年、日本でも文部科学省がグローバル人材育成の観点から、国際バカロレア(IB)の普及・拡大を推進しています。 国際バカロレア特設サイトはこちら

日本初!幼・小・中・高一貫校で国際バカロレア認定

令和4年3月31日現在、日本国内で国際バカロレア認定校は全部で175校あります。PYP認定校は55校、MYP認定校は30校、DP認定校は61校という内訳です。この175校の中で、一条校(学校教育法第1条に規定されている学校)としての認定は、57校です。

なんと、この57校の中でPYP、MYP、DPの資格を同じ学校で取得できるのは、静岡サレジオだけ。一条校として、日本で唯一の、そして、日本で初めて幼稚園・小学校・中学・高等学校一貫の国際バカロレア校が静岡に誕生しました。

静岡サレジオだから成し得たこの偉業。

日本初の国際バカロレア一貫校となった静岡サレジオ、新しい未来の始まりです。

IB教育導入の目的

海外の大学に行くとか、単に英語が得意になるとか、静岡サレジオのIB導入の目的はそこではありません。一般的にIBは英語教育と思われがちですが、私の理解としては、IBは母語を含めた言語認知、言語理解の教育です。先ずは母語での思考・判断・表現を徹底的に深く行う。これが探究学習です。そこに英語をかぶせることで、思考や表現の幅は飛躍的に広がり、英語でも意見を述べ、判断すらできるようになります。そこに私たちの狙いがあるのです。また、大学進学がゴールではなく、生涯学び続けられる学び方(自ら課題を発見し、解決に導く方法をリサーチし、プレゼンする)を習得することも大きな意味を持ちます。IBの導入により4-4-4学習システムが更に明確になることで、一本筋が通り、具体的な教育効果が示せるものと期待しています。

静岡サレジオ幼稚園・静岡サレジオ小学校プライマリーステージは、

2020年2月26日付で、国際バカロレアPYP(Primary Years Programme)認定校になりました。
静岡サレジオ幼稚園、小学校が国際バカロレアの教育プログラムを導入した大きな理由は、カトリックの教えを土台とした建学の精神と国際バカロレアの使命(IB mission statement)が一致しているためです。静岡サレジオ幼稚園・小学校プライマリーステージは、「誠実な人間・良き社会人の育成」の建学の精神のもと、カトリックの教えに基づき、子供たちが真の国際人として未来を生き抜く力を育むために、国際バカロレアPYPの教育に取り組みます。

PYP~Primary Years Programme~

意味や価値を感じながら学ぶ。

PYPは、学びのスタート段階にあたる初等教育プログラムで、幼稚園の年代からスタートします。

その特徴は3つあり、
  • ① 教科の枠を越えた6つのテーマを通して、概念理解を導く学習であること
  • ② テーマのもとに探究型概念学習を行うこと
  • ③ 小グループでの協働学習を基本の学習スタイルとすること

が挙げられており、児童の意欲を喚起し、関連性があり、チャレンジに満ちた意味のある学習を行うことが示されています。つまり、自分自身の文脈で学びを展開することで、学びに意味や価値を感じながら、責任を持って主体的に学びに関わることが求められるのです。

具体的には、教科横断的に学ぶ探究という授業が行われます。時間割上も「国語探究」「理社探究」という名前が使われ、年間で6つのテーマについて探究の仮説である「セントラルアイデア」をたて、それを確かめるために様々な教科の学びを適用しながら、教科の枠をこえて学習を進めていきます。

PYPは、何を学ぶかではなく、何のために、どのように学ぶのかを重視します。まさに、今求められるコンピテンシーの育成や生き方につながる学びであり、見えにくい学力、すなわち思考・判断・表現や学びに向かう人間性等の向上を促進するものであると言えるでしょう。

10の学習者象

国際バカロレアでは、「国際的な視野を持つ人」の姿を『IBの学習者像』として示しています。この学習者の実現こそが、真の国際人の姿です。この10の学習者の姿を、聖母マリア、聖ドン・ボスコの生き方に重ね、その生き方を実践することで、人のために喜んで自分の力を使い、地の塩、世の光として、周りを明るく照らす人になることを目指します。静岡サレジオでは、以下のようにこの姿を示しています。
されじおのこの10のすがた

探究の時間

PYPでの学びは、教科の枠をこえた6つのテーマについての『探究』を行います。

Who we are 私たちは誰なのか

Where we are in place and time 私たちはどのような場所と時代にいるのか

How we express ourselves 私たちはどのように自分を表現するのか

How the world works 世界はどのような仕組みになっているのか

How we organize ourselves 私たちは自分たちをどう組織しているのか

Sharing the planet この地球を共有するということ

探究の時間の様子

サレジオ幼稚園では、Play based learningの考え方の下、園児は、「Who we are」と「How we express ourselves」を含む年間4つのテーマについて探究します。自分自身を知ること、先生や友達のことを知ること、幼稚園や身の回りにあるもの、自然の様子などについて、遊びを通して学びます。

小学校では、年間6つのテーマについて学びます。6つのテーマの下、当該学年の学習内容に即したセントラルアイディアを決め、教科を横断的に一つのテーマについて、一人で、そしてみんなで学習を深めます。